島々を望む丘に出づる、八重の泉

バンナ岳の麓、石垣の街と青い海を見晴らす高台。
伝統と新しい酒造りを重ねる、八重泉酒造を訪ねます。

泡盛を巡る > 石垣島 > 八重泉酒造

八重山の島々を望む丘で

八重山諸島の中心に位置する石垣島。 古くから海を介して周辺の島々と結ばれ、 現在も港からは竹富島、西表島、小浜島などへ船が行き交います。 島の中央には沖縄県最高峰の於茂登岳がそびえ、 その南、市街地と海を見晴らすバンナ岳の麓に八重泉酒造があります。

八重泉酒造の創業は1955年。 初代・座喜味盛光が酒造りを受け継ぎ、 八重山の島々に湧く泉を思い「八重泉」と名付けました。 その後、島内だけでなく県外へも販路を広げ、 1991年には現在の地に新工場を完成させます。

一方で、八重泉は早くから新しい泡盛の可能性にも目を向けていました。 1960年には樽による貯蔵を開始。 泡盛を樽で熟成させるという長年の試みは、 後のさまざまな樽熟成酒へと受け継がれていきます。 伝統を礎にしながら、新しい泡盛を模索してきた酒造所です。

MoodToyo's Stocks

現在販売されている泡盛だけでなく、 MoodToyoで長く保管してきた瓶や、 時間を重ねた泡盛もご紹介します。

八重泉 (一般酒)

八重泉 30度 (一般酒)【販売中】

瓶詰時期:随時入れ替え

於茂登連山の天然水と老麹で仕込み直火の地釜蒸留で仕上げた、高嶺酒造所の定番酒。
香り豊かでやわらかな口当たりと甘みに人気があります。

黒真珠 (古酒)

黒真珠 43度 (3年古酒)【販売中】

瓶詰時期:----

八重泉の看板商品です。2004年までは5年古酒と謳っていたこともありましたが、その後古酒表記はなくなりました。やわらかさを持ちながらも濃厚な味わいと甘みのある古酒と新酒のブレンド。当店でも人気のある泡盛です。

バレル 40度

八重泉バレル (古酒)【熟成中】

瓶詰時期:-----

黒真珠とベースの泡盛は同じです。新品のホワイトオーク樽で熟成させた9〜11年の古酒をブレンドし、黒糖をプラス。少し甘酸っぱくも感じる落ち着いた香りと角の取れた口当たり、甘みのある長い余韻を堪能できます。2016B、2017C...など今でも壜内で追熟させています。

店主の記録

繁華街から県道79号を北西へ向かう道中、山の方を見ると、 大きな白い建屋に「八重泉」と書かれた文字を見つけられると思います。 石垣市街と海を一望するバンナ岳、その山麓の高台にある大きな酒造所です。

2階には泡盛の歴史や製法などを学べるビデオコーナーもあるので、 興味のある方はぜひ。 製造ラインを紙パックや瓶が次々と流れていくインダストリアルな風景がある一方、 昔ながらの酒造りも残されている。 その対照的な光景も八重泉酒造の面白さです。

数回お邪魔していますが、近年訪れた際には、 自分の好きな「八重泉 BARREL」の貯蔵庫を見せていただきました。 八重泉が樽貯蔵を始めたのは1960年。 その長い経験から生まれたBARRELは、 直火蒸留した泡盛を樫樽で長期熟成させた酒です。

ところが泡盛を樽で長く寝かせれば、当然ながら琥珀色に染まっていく。 この色が泡盛として販売するうえでの規定に引っ掛かってしまうため、 BARRELは「リキュール」として世に出ることになりました。 いわば、樽の味わいをそのまま届けるための“大人の事情”です。

鉄製のラックに高く積まれた、100本は優に超えるオーク樽の景色は圧巻でした。 全国流通に乗せられる規模の大きな酒造所でありながら、 その酒造りには昔ながらの直火蒸留が今も残っている。 近代的な製造ラインのすぐそばに、手仕事の酒造りが息づいている。 その両方を一度に見られるところが、八重泉酒造で特に印象に残っています。